Google広告が推奨しているアカウント設計と広告運用があるのご存知ですか?
アカウント設計がHagakure(ハガクレ)と言います。
広告運用がGORIN(ゴリン)とMUGEN(ムゲン)になります。
ちなみにアカウント設計とは、
キャンペーン、広告グループ、広告、キーワードをどのように構成するかになります。
このアカウント設計を疎かにしていると
広告費だけかかってしまって最適化されず
品質スコアも悪くなります。
そんなアカウントで自動入札を使っても上手くいかない事例も出ています。
後々の事を考えると、
Google広告をやる前にこちらの知識を得てからした方が無難です。
それでは、まずは、Hagakure(ハガクレ)について説明します。
Hagakure(ハガクレ)とは?
Hagakure(ハガクレ)が出来る前に、
よくやっていた以前のアカウント設計を紹介します。
2013年頃までは、
「キーワード単位に広告グループを作成し、キーワードと広告を1対にする」というアカウント構造が基本でした。
当時は、こうすることで品質スコアが良かったんですね。
それでは、まず以前のアカウント設計から説明しHagakureと説明していきます。
以前のアカウント設計
1広告グループに、1キーワード・1広告
とにかくキーワードに対して1広告を作成することでクリック率あげ、品質スコアを上げるという手法でした。
以前私もよくしてました。
確かに品質スコアも10に上がりやすかったです。
しかしキーワードに対して1広告なので、とても大変な苦労もありました。
しかし、このやり方には大きく3つのデメリットがありましたのでご紹介します。
キーワード追加、広告のA/Bテストに時間がかかる。
キーワード単位に広告を作成しているので、広告のA/Bテストがとても時間がかかります。
なんせキーワード単位なので、すべてを見ないといけませんでしたので。。。
しかし当時は、この方法がよかったので、やってましたが、途中で断念すること方も多かったと思います。
さらに売れるキーワードが見つかったら、さらに広告グループを作成し、キーワード・広告を作成します。
細かくしているので、設定にかかる時間が増えてしまうんですね。
広告グループにインプレッションが集まらず広告の品質が上がらない。
広告の品質ですが、1キーワード・1広告だと確かにクリック率はあがりますが、、、
実はそれだけではなく、広告の表示回数も重要なんですね!
例えば野球で言うと、
A選手:5回バッターボックスに入って3本ヒットを打ちました。打率は6割です。
B選手:500回バッターボックスに入って150本ヒットを打ちました。打率は3割です。
どちらが一流のバッターでしょうか?もちろんB選手ですね。
ようは、広告の表示回数を増やし、クリック率をよくすることをGoogle広告は求めているんですね。
アカウント内で広告ランクによるシェア損失が発生
ユーザーが「ヘアサロン 東京 予約」した場合。アカウント内で競ってしまい表示ができなかった広告はシェア損失となります。
インプレッションシェア損失率(ランク)に数値が加算され、広告の品質がよくないと判断されます。
そのため、このようなアカウント設計で運用すると
- インプレッションシェア損失率(ランク)が増える。
- 広告の表示機会が減る。
- どんどん広告の品質が評価されなくなる。
このような悪循環になってきます。
上記のような部分一致の使い方なら除外キーワードへ設定すれば良いのではと考えますが、
全てを除外キーワードへ設定するのはかなり困難になります。
1広告グループに1キーワード・1広告では、管理がとても大変になります。
だからアカウント構造をもっとシンプルにし
アカウント内での広告ランクのシェア率を発生させない事が重要になってきます。
それを無くすためのHagakureになります。
それでは、Hagakureではどのようなアカウント設計が良いか説明します!
Hagakureのアカウント設計
Hagakureのアカウント設計では、1グループにインプレッションを集める事が重要になってきます。
これで広告の品質を評価されるようになります。
そしてもう一つ、同じキーワードが重複しないようにするようにし広告ランクのシェア損失を発生しないようにします。
先ほど、例で以前のアカウント設計を出しましたが、それをインプレッションが集まるように変更したのが以下になります。
上記のように同じようなキーワードを広告グループ1つに集めてインプレッションを向上させます。
とはいえ・・・
何を基準に同じ広告グループへキーワードを追加すれば良いかピンと来ないかと思います。
わかりやすく言うと、
ランディングページが1つなら、広告グループ1つで良いと言うことなんです。
広告グループにキーワードを纏めてやると良いでしょう。
それでは、Hagakureを踏まえた増えで次にGORINを説明します。
GORINとは?
Googleが2016年ごろから提唱し始めてた「広告運用における戦略の1つ」になります。
Googleでは、複雑なユーザーの行動履歴を蓄積する中で、機械学習に力を入れ始めました。
その機械学習のデータで広告の成果を最大限の効果がでるようにGoogle広告を開発しています。
そこで、Google広告を扱う広告運用者として、どのように活用するかを提唱したのがGORINになります。
GORINは、5つの要素で構成されています。
- アカウント構成
- リーチ
- ターゲティング
- 広告フォーマット
- 効果測定
それでは、この5つの要素を1つずつ解説します。
1.アカウント構成
こちらは、先ほど説明したHagakakureのアカウント設計をします。
広告グループにインプレッションを集約しデータを溜めて機械学習を行いやすくします。
Google広告では、広告を3~5個作成し運用することを推奨しています。
2.リーチ
広告のインプレッションを広く取る必要があります。
これも広告グループにインプレッションを集約する事を重要視しています。
具体的にいうと、検索パートナーへ配信を行う、
予算によるインプレッションシェアの損失がなくなるように設定を行います。
検索パートナーとはlivedoor、BIGLOBE、goo、OCN、AOL.JPになります。
3.ターゲティング
先ほどのリーチですがただインプレッションを広く取る事をしても、
関心があるユーザーに広告を配信しないと広告の効果が発揮されません。
ですので、しっかりと広告に関心があるユーザーへターゲティングしないといけません。
無駄に広告を配信しても広告費が消化されるだけです。
広告の効果を最大限に発揮するように配信対象を絞る必要があります。
そして広告に関心があるユーザーに対して、広告掲載順位を上げるなどしてリーチすることで成約を獲得していく必要があります。
Google広告では、動的検索広告(DSA)という広告作成があり
自動でキーワードを探しユーザーへ配信する事ができます。
4.広告フォーマット
広告のフォーマットは、広告の表示範囲を広げてクリック率を上げましょうということです。
具体的にいうと広告表示オプションを活用します。
広告に含める情報を増やし、面積を広げる事でユーザーへのアピールし成果へ繋げます。
5.効果測定
広告運用の目的に合わせたKPI(重要評価指標)に合わせた広告配信を行う。
広告の目的が、認知向上なのかサイトへのアクセスを流すのかで設定が違ってきます。
認知向上であれば、インプレッションを増やすように設定します。
サイトへのアクセスを流すのであればクリック数を増やすように設定します。
目的に応じて、変更箇所を変える必要があります。
以上が5つがGORINが提唱している内容になります。
それでは、GORINの6つのポイントをまとめると、、、
GORIN 6つのポイントまとめ
ようは、機械学習をするためにアカウント構成をシンプルにし、掲載を多く配信する事が沢山のデータを集める。
データを集めるためには、たくさんの広告費が必要なわけです。
たくさんの広告費を使ってコンバージョンするターゲットを絞り、
広告の配信を最適しようというのがGORINなんです。
そして、Hagakureのアカウント設計をすることが前提条件ですので、お忘れないように^^
それでは、最後にMUGENについて説明しますね。
MUGENとは?
MUGENを一言でいうと、【機械学習による配信の最適化】×【配信対象ユーザー(リーチ)の拡大】になります。
【機械学習による配信の最適化】とは、先ほどのGORINになります。
それに、【配信対象ユーザー(リーチ)の拡大】の概念を付け加えています。
MUGENで追加した要素は3つあります。
- 入札戦略
- リーチ
- 広告の品質
それでは、3つの要素を詳しく説明します。
入札戦略
こちら入札戦略では目標となるKPIに対してスマート自動入札を選択します。
スマート自動入札は以下の6つになります。
入札戦略 | 効果 | KPI |
---|---|---|
目標コンバージョン単価 | 指定したCPA以内でコンバージョン数を最大化 | コンバージョン数 |
コンバージョン数の最大化 | 指定した予算以内でコンバージョン数を最大化 | コンバージョン数 |
拡張クリック単価 | 指定した上限クリック単価以内でコンバージョン数を最大化 | コンバージョン数 |
目標広告費用対効果 | 指定したROAS(費用対効果)でコンバージョン価値を最大化 | コンバージョンの価値 |
目標インプレッションシェア | 指定した予算以内でインプレッションシェアを獲得 | インプレッションシェア |
クリック数の最大化 | 指定した予算以内でクリック数を最大化 | クリック数 |
さらに、MUGENの場合は、コンバージョンまでに至る経路にも貢献度をつける事ができます。
それがデータドリブンアトリビューション(DDA)になります。
以前までは、成約した地点にコンバージョン(ラストクリックモデル)としていました。
しかしユーザーが検索して最初にサイトに訪れたが購入はせず、再度、訪問してから成約に繋がったんじゃないかという見方もできますよね。
今までは、再度訪問した方(ラストクリック)が貢献度が高かったのですが、
データドリブンアトリビューションを使うと、最初にサイトに訪れてから購入までの貢献度をわかる事ができます。
1つ良い例がありますので紹介します。
札幌のツアー会社が、札幌雪まつりツアーのチケット購入につながった広告を計測しているとします。チケット購入前にユーザーはいくつかの広告をクリックしていると考えられます。
データドリブン アトリビューション モデルを使うことで、まず「北海道ツアー」の広告をクリックした後に「札幌雪まつりツアー」をクリックした人の方が、「札幌雪まつりツアー」だけをクリックした人より購入に至る可能性が高いことがわかったとします。その場合、「北海道ツアー」の広告やキーワード、広告グループ、キャンペーンにより多くの貢献度が割り当てられます。
これで、ビジネスに最も貢献している広告をより詳しく把握できるようになりました。
引用先:Google広告ヘルプより
以上の例で言えることは、実際にコンバージョンに貢献したキーワードと広告が有効な広告だと把握できるよと言うことなんですね。
リーチ
GORINにもリーチがありますが、MUGENのリーチでは、さらに狙うところを広げていくということになります。
MUGENでも動的検索広告(DSA)を使います。
動的検索広告(DSA)は、ランディングページから自動でキーワードを見つけてきます。
実際にどのキーワードで掲載されたかは検索クエリーで確認することができます。
想定していなかったキーワードでクリックされますので、検索クエリーを気を付けてみないといけません。
広告の品質
簡単に言うと「クリック率がよい広告を作成しましょう!」ということになります。
具体的に3つ機能を使いますので、それぞれ説明します。
レスポンシブ検索広告(RSA)
タイトルを3から15個、説明文を2から4個をあらかじめ設定します。
ユーザーが検索したキーワードに応じて自動で組み合わせをし広告を配信する機能になります。
広告カスタマイザ
こちらは、地域キーワードがある場合に有効になってきます。
以前のアカウント設計では、広告グループ1つに対してキーワード1個・広告1個で
地域キーワードに対応する広告文を作成してきました。
しかし、広告カスタマイザでは、キーワードや地域などユーザーの行動、属性に合わせた広告文を作成します。
東京のユーザー:広告【東京の美容院を探すなら○○がお勧め!】
大阪のユーザー:広告【大阪の美容院を探すなら○○がお勧め!】
広告カスタマイザのお陰で、広告作成の時間が大幅に作成されました!
しかし、文字数制限や遷移先のサイトは1つといった所を注意しないといけません。
そこを注意すればクリック率の向上が見込める機能でしょう!
キーワード挿入機能
ユーザーが検索したキーワードを広告文へ追加する機能になります。
広告カスタマイザと似た機能になります。部分一致で広告掲載されたときに有効な策になります。
まとめ
どうでしたでしょうか?
Google広告運用では、推奨する運用がある事をお分かり頂けたでしょうか?
あくまで推奨ですので、すべて従う事はございません。
私の経験上ですが。。。(2019年11月時点)
Hagakureアカウント設計は、できるだけ守った方が良いでしょう。
いろいろ試した結果ですが、できるだけ広告グループにキーワードを
まとめてインプレッションを集約した方が品質スコア・広告ランクも良いと思います。
そして、広告表示オプションを使う事も必ずしてください。クリック率が上がりますので。。。
ただ、動的検索広告と、レスポンシブ検索広告については、
今のところ私は成果がないので、あまりお勧めしていません。
もし、成果が出て参りましたらブログへアップさせて頂きます。
以上になります。
ご参考になれば幸いです!
さらに、無料オンラインサロン「WEB集客サロン」で、
Google広告、Yahoo広告で集客・売上UPする方法を定期的に配信中!